アパートローンの借り方について順を追って説明していきます。
物件を見つける
まずは自分が購入したいと思うアパートを見つけなければなりません。基本的にはインターネットで「収益物件」などと検索して探していくことが主流です。他に不動産業者を訪ねる方法もあります。
アパートに限った話ではありませんが、不動産情報というのは地元の不動産業者が独自に持っていたりすることがあります。インターネットで検索する際には、地域に特化した不動産情報サイトや地元の不動産業者のサイトもチェックすることで幅広く物件を網羅することができます。
買いたい物件が決まったら不動産業者に接触し、購入の意思を伝えます。
検討ポイント
新築か中古か
- 新築を建てる・・・自身で土地を持っていればその土地上に、持っていなければ土地を探さなければなりません。
- 新築建売・・・件数は多くないですが、投資用物件として建設業者が建設したものです。
- 中古
建物には寿命があるので、築年数が浅ければその分長く使うことができ、長く事業を行うことができます。銀行の融資期間も築浅の方が長くなります。
反面、新築の方が価格が高くなります。また新築は建設期間や最初の入居者募集期間は家賃が入ってきませんが、中古は既に入居者がいるためすぐに家賃収入を得ることが出来ます。どちらが投資として有利かはケースバイケースです。
アパートローンを借入する際に、一定水準の自己資金が必要となります。銀行に厳しい甘いはありますが、自己資金ゼロで融資が受けられることはまずありません。物件にも拠りますが、自己資金は物件価格の10~30%が必要となりますので、これから始めるサラリーマンの方などは自己資金投入金額の少ない中古物件から始めるのが良いと思います。
建物の構造について
アパートの構造は価格の高い順に以下の通りです。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)・・・かなりの大規模な物件に用いられ一番堅牢な構造となりますが、ほとんど見かけません。法定耐用年数は47年です。
- 鉄筋コンクリート造(RC造)・・・主に3階建て以上の物件に用いられ堅牢な造りとなっています。法定耐用年数は47年です。
- 鉄鋼造(S造)・・・低層のアパートに用いられます。法定耐用年数は34年です。
- 軽量鉄骨造(LS造)・・・鉄骨造よりも骨材の厚みが薄い構造です。積水ハウスや大和ハウスの低層アパートで採用されているためよく見かける構造です。法定耐用年数は27年です。
- 木造(W造)・・・最も安価な構造です。耐用年数は22年です。
上記の法定耐用年数がそのまま融資期間になるわけではなく、融資期間は銀行それぞれの基準があります。ですが法定耐用年数が長い方が融資期間を長くとれる傾向に違いはありません。
融資審査にはファミリー向けが有利
大きな違いではありませんが、入居者の入れ替わりの頻度から、単身者向けよりもファミリー向けの方が融資審査においては有利となります。
物件資料をもって銀行に行こう
買いたい物件が決まったら銀行に借りられるかを相談に行きましょう。
具体的な物件が決まっていない段階で相談に行くのはナンセンスです。例えば自分だったらいくらぐらい借りられるかなどと言った質問には答えられません。アパートローンの最も大事な審査項目は物件であり物件の収支を見ずに答えを出すことはできないからです。
どんな心構えでいったら良いか
銀行とたいした取引のない状態で、アパートローンの相談に行くのは非常に緊張します。住宅ローンや車のローンなどと違って、アパートローンの取り扱いを大っぴらに掲げている銀行は無く、気軽に相談に行きづらいと思います。勇気を持って行くしかありません。
最初は感触が分かればいいやくらいの感じで行くのがいいと思います。
どこに行ったらいいのか
相談すべきは自宅近くの銀行の支店です。勤務先の近くでもいいです。
対応は支店の融資担当者が行います。支店に電話をして取り次いでもらいアポイントを取ってから訪ねるのが無難です。
銀行によってアパートローンに対する融資スタンスはまちまちです。地域によって違う可能性がありますが、一般的に規模の大きい銀行ほど審査が厳しい傾向にあります。
大手都市銀行等はサラリーマンのアパートローンは消極的であるように思います。地域ナンバーワンの地方銀行も審査は厳しめです。その下の地域ナンバー2以下の地方銀行が比較的審査が緩い傾向があり、おすすめです。地方銀行のさらに下には信用金庫等がありますが、こちらはアパートローンの取り扱いが少ないような気がします。
複数金融機関に相談しても良いか?
当たり前ですが銀行員としては複数金融機関への相談はして欲しくないです。
ただアパートを探している人はたくさんおり、他の人に先に取られてしまうこともあります。とりあえず感触を聞きにいくだけなら一つの金融機関だけでいいですが、どうしても欲しい物件であれば、時間と手間はかかりますが複数金融機関に相談するのも一つの手です。黙っていれば銀行には複数行に相談していることはバレません。
複数の銀行から融資のオーケーを貰った場合、一番条件のいい銀行で借りればいいのです。条件の悪かった銀行には体良く断ればいいのです。
何を持っていったらいいのか
必ず必要になるものは物件資料です。
その他に相談の段階に応じて提出を求められる可能性のあるものを列挙していきます。
- プロフィール(銀行所定の様式、経歴や家族構成など)
- 年収の確認資料(源泉徴収票または確定申告書、法人の場合は決算書)
- 金融資産の確認資料(通帳や保険証券、いずれも原本を確認されるケースあり)
- 保有不動産の確認資料(固定資産税納税通知書など)
- 本人確認資料
基本的に銀行員が原本を確認してコピーを取ります。準備しておいてもいいですし、自信のないものは求められてからでも全然かまいません。
まとめ
初めてアパート融資を受けようとする時は、誰だって緊張するものです。
ただ現場の銀行員も営業マンであり融資実行をしたいのは当然です。まずは物件資料を持って相談に行ってみてください。
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